鉄道写真撮影地訪問・撮影時の注意点

~自分の身の安全を守るために~
このウェブサイトで紹介している鉄道写真には山間部・海岸部等、アクセスの難易度が高いものや、撮影地自体が山の斜面・崖上で足場の良くない場所が多く含まれています。 また鉄道写真撮影は、普段地元の方以外訪れることのない場所に一定時間滞在することになるため、土地の所有者や地元の方に誤解を与えるケースが多々あります。
そのため当サイト管理人は撮影について、安全確保・トラブル/事故防止等様々な面につき自己責任で行っております。

近年、海・山・雪のレジャーでの遭難事故において遭難された方の行動に問題がなかったかを指摘する報道が増加しており、 このサイトをご覧になり鉄道写真撮影へ行かれる皆様におきましても、まず、自己の危機管理として安全確保には万全の注意・装備・配慮をなされ、 併せて各種法令遵守、地元の方・他の撮影者とのコミュニケーションへの配慮、立ち入り禁止区域に入らないことに留意され、 場合によっては訪問を諦める勇気を持つことが大事と考えております。

クルマの運転・駐車について

山間部の運転

月光寺の縦写真

当ウェブサイトで紹介しているは撮影地はアクセスに山間部の道路を利用したものが非常に多く含まれております。 山間部では対向車とのすれ違い困難・ガードレール無し・側溝がむき出しの箇所も多いので、 山道の運転に慣れない方はくれぐれもご注意ください。
また林道や峠越えの旧道の場合、轍がえぐれたり、草木が生い茂る等、通行に支障のある道路もあります。
さらに地図上では通行可能の様でも倒木・小落石等で廃れ、クルマの通行が困難になっている所もあります。
そのため現場での判断によりクルマ通行可能でも徒歩が望ましいケースもあります。右の写真は旧道の崩落箇所例(国道314号旧道)です。


農道
鉄道撮影では視界の開けた田畑付近の農道から撮影するケースも多くあります。 田植え・収穫期の農繁期は当然のこと、その他の時期も農作業用のクルマ(軽トラック)・農耕車の通行に支障を来さないよう配慮が必要です。
クルマの駐車
撮影地近辺でのクルマの路上駐車は通行の支障とならないようにすることはもちろん、空きスペース等への駐車についても地元の方への配慮が必要です。
山口線・磐越西線の有名撮影地では撮影者の多いシーズン(特に秋季)には警察の巡回がしばしあり、クルマの移動を求められるケースも多くあります。
クルマ移動時の交通法令順守
歩行者・農耕車への注意。 ※主要国道上ではしばし警察の交通取り締まりが行われております。親切な対向車がパッシングで教えてくれることも多いですが、見知らぬ土地では注意が必要です。

山道・尾根線歩き

佐久海ノ口俯瞰道のり

 鉄道撮影時の山道歩きは整備された登山道と全く異なる場所があります。 迷わないためにも必ず国土地理院の地形図・コンパスを持参しましょう。
現地の道路状況・河川・植生の確認・山登りの場合は尾根線の位置の確認ができます。
また送電線や墓地等の表示は地図と現在地をすり合わせる上での目印にもなります。
初めて歩く山道の場合、時々振り返り、景色・目標物を確認し、道をトレースできなくなったり、道に迷った場合、わかる場所まで一旦戻りましょう。
尾根線歩きは通常、登りより下りの方が難易度が高くなります。地図に表記のない枝尾根に誤って入ることも多々あるので、コンパス・スマホのGPS等で方角を確認しながら歩くことが大事です。
  また、帰りの道のトレースに自信がないと思った場合は、諦めることも肝要です。
右の写真は小海線の佐久海の口俯瞰を訪問する際の道のりです。鉄塔のメンテナンス道のためどちらかというと明瞭な道となります。
※なおこのサイトのガイドで「けもの道」「人の踏み跡」「尾根線」と表記している道を進む場合、特に注意が必要です。装備については後述します。

マナー面の配慮

・地元の方への挨拶・撮影の了解
観光地でないどん詰まりの場所にある集落等、外部の人間があまり訪れない土地・集落では、地元の方に「彼は何の目的でここに来たのだろう」と不審に思われることが多々あります。
  さらに山間部では山菜・キノコの採取者、海岸では魚介類の密漁者と間違われることもあるので、地元の方には積極的に声をかけた方が良いと思います。
  地元の人に安心を与えることに加え、田んぼの水張りの時期や、過去に撮影者がいた場所等、有益な情報を入手できるケースもあります。
  有名撮影地では地元の方の中に鉄道撮影者に対していい印象を持っていない方もいることは正直なところ事実ですが、そのためなおさら挨拶は大切と思います。
  さらに農作業の方や、海岸では釣り客の邪魔にならないようにしましょう。

・ペットボトル・吸殻等のごみの持ち帰り。
・他の撮影者との譲り合い。

その他現地での注意

・海岸部の潮の干満の注意。(磯場で撮影する場合)
・河川の河原での撮影。(雨による増水や上流の堰・ダムの放流等)
・踏切のない場所で線路等をやむを得ず横断する際の注意。
・撮影機材の保護。(特に斜面で落とさないよう)
・天候の変化

山道・尾根線・けもの道歩きの際の装備について

地形図・コンパス・GPS
事前の登り口吟味、現地での目標物のすり合わせにに役立ちます。
コンパスは撮影時間帯の太陽の光線向きを確認するためにも山道歩き以外にも所持が望ましいと思います。

スマホ・タブレット端末をお持ちの場合、地形図を表示できるアプリもありますので便利です。
 また、撮影場所への道のりが国有林を通過する場合、林野庁のウェブサイトから森林計画図をダウンロードして使用できます。境界杭等の情報が掲載されているので便利です。こちらにリンクを貼っておきます。
靴はアップダウンのある山道を歩く場合、 踏ん張りが利き、ぬかるみも歩けるものが望ましいです。あまり傾斜がない山道でしたら虫対策(特にヤマダニ)も鑑みるとピンスパイクつき長靴を履くことをお勧めします。傾斜のある山道の場合は足首の保護・負荷軽減のためハイカットの登山靴を履くのが良いと思います
服装は夏でも長袖が必須
虫さされや草・枝で擦ったり、とげに刺されたりしないよう長袖が望ましいです。
山林の斜面の伐採後はとげのある木(カラスザンショウ)が他の草木に先駆けて生育することが多く、 俯瞰撮影地で伐採地の訪問の場合は注意が必要です。
帽子はつばがあるのがベスト。くもの巣があるときに有効です。 またタオルも持って行きましょう。タオルの色は黒(ハチが寄ってくる)白(アブラムシ等が寄ってくる)以外が望ましいです。
軍手・手袋
必須です。必ず持参しましょう。
飲み物
夏は充分な量が必要です。盛夏時にに片道20分以上歩く場合、500mlのペットボトル1本では、 撮影地での滞在とその帰りを考えると不足すると思います。
ホイッスル
利用するケースはほとんどないと思いますが、万が一、山道で足を踏み外し、滑落し動けなくなった場合を想定して助けを呼ぶためのホイッスルも 用意しておくと安心です。
ホイッスルは防災用でキーホルダーに取り付けられるストラップ付の小型のもので良いと思います。(いろいろなものが出回っています。) 但し材質はプラスチックがおすすめです。(冬季に金属の笛を吹き続けると唇が凍傷になるため)
携帯ラジオ
あると便利です。スピーカー付きがおすすめです。
ライト類
山に入る場合、東日本地区の陽の低い時期には15時台には下山できるようにしましょう。 万が一に備えライト類、特に手をフリーにできるヘッドライト型ライトの携帯をお薦めします。

虫対策

鉄道写真撮影の現場においては初夏~秋にかけてあらゆる場所でのやぶ蚊の対策が必要です。 また、山歩きの場合やぶ蚊に加え、ブヨ・ヤマダニ等の虫刺されの対策が必要です。
やぶ蚊・ブヨ対策には長袖・靴下着用・タオルの利用と、虫除け・虫刺されの痛み止めの携行をお勧めします。
虫除けはいろいろ種類がありますが、蚊取り線香を携帯皿に入れて持ち歩くのが最も効果があります。 スプレーや携帯虫除け器は気持ち程度の効果しかない印象です。
虫さされの痛み止めは撮影場所を問わず携帯するのが望ましいでしょう。
ブヨに刺される(厳密には噛まれる)とやぶ蚊と異なり数日痛みが引かないので、 重ね重ね山歩きの場合は夏でも長袖着用をお薦めします。
ハチ対策
ハチがいると考えられる場所では黒い服装・帽子はできる限り着用しないようにしましょう。
スズメバチには山中の撮影地ではよく遭遇します。刺激しないよう注意し、複数のハチが現れた場合は巣に近いと考え、安全のため撤退することをお勧めします。 因みに複数の人数で遭遇した場合、最初に遭遇した人(=初めにスズメバチを威嚇した人)より後ろを歩く人が刺される確率が高いです。
なお、クマバチはなわばりに侵入した人間に対し、しつこく接近を繰り返しますが刺すことはないと思います。
ヤマダニ
 尾根線等、整備されていない山道を歩くとヤマダニに噛まれるケースがよくあります。ダニ対策としては、長袖・長ズボン・靴下は当然のこと、長靴の着用がよさそうです。 ダニに刺された場合、自覚症状がないことが多いため、上記の様の道を歩いた後には体、特に足首周りにダニが付着していないか確かめることをお勧めします。 管理人は風呂に入る際、足に食いついたままのダニに気がついた経験が複数あります。

動物・へび対策

基本動物・へびは人間と遭遇したら逃げますが、急に対面し動物が驚いた場合や子連れの場合、サル・イノシシ・マムシ・ツキノワグマには襲われる可能性があります。 そのため決して威嚇しないよう。場合によっては撮影場所から撤退する勇気も必要でしょう。
山の中では結構動物に出会いますが、管理人クマにはかろうじて出会っていません。
サル・イノシシ・クマは秋に注意。
また、千葉県南部等、一部の山間部でヤマビルが出現するところがあります。

ツキノワグマ
木の上に、木の枝を引っ掛けて鳥の巣のようにこしらえた「クマ棚」があったり、人間の量程度の動物糞があった場合、 クマが生息している可能性が大です。
基本クマ鈴・ラジオ等音の出る物の携帯をし、ばったり出会うことのないよう周りを 確認しながら歩くよう注意ください。
※近年全国的に秋を中心にクマの出没や人への攻撃が増加しているとの報道があります。 クマに襲われると大けがから生命に危険が及ぶ可能性があることを鑑みると、 正直出没地域の山林の単独での立ち入りはお勧めしません。

マムシの蛇の目は覚えておきましょう。
山道・けもの道、特に田畑や沢が近い山道では蛇に遭遇する可能性は非常に高いです。 マムシを含め蛇は基本逃げるので、足元を見ながら歩きましょう。
鉄道写真撮影では山菜・キノコ狩り、農作業と異なりこういったところは歩くのみなので、 むやみに藪に素手を入れなければ被害はないのではと思われます。 撮影地点で地べたに置いたカバン等所持品に触れる場合に注意が必要と思われます。

ヤマビル
千葉県南部、夷隅川・養老川・小櫃川の上流から鴨川市・勝浦市にかけての山間部はヤマビルの発生地区となります。 ヤマビルは春先から秋口にかけて暗くてじめじめした山間部に発生します。人間に対して、足元から這い上がり、肌に付着し、血を吸います。
管理人は遭遇したことはありませんが、小湊鉄道・いすみ鉄道・久留里線の山間部の撮影地は、生息地に近い地域ですので注意が必要と思われます。 概要のリンクをこちらに貼っておきます。
サル
日中の山間部で最もよく出会う動物です。山中より、クルマの通れる幅の山道・線路ばた等、 開けたところで見かけることが多いです。 観光地等で問題になっている、人間の食料の味を体験したサル以外は人に近づかないと思います。 基本逃げますが集団の場合、ボス・見張りザルに目をつけられないよう。

イノシシ
うりぼうがいる場合、近くに母親もいると考えること。
イノシシは人を見るとあわてて逃げようとしますがその逃げっぷりは「猪突猛進」そのものなので巻き込まれないよう注意が必要です。
タヌキ・野ねずみ・野うさぎ・イタチ・鹿・アナグマ・リス
危害はないと思います。タヌキ・ネズミ・イタチ(テン)には比較的よく出会います。 なお、キツネは夜行性のためか鉄道写真撮影の現場では見たことがありません。

カラス
繁殖期(5月~7月はじめ)は巣に近づかぬよう注意、襲ってきます。

積雪時の撮影について

クルマはスタッドレスタイヤにチェーン搭載
当たり前のことですが、スタッドレスを履いている場合も積雪地域の運転にはチェーン携行が必要です。
足元は長靴+かんじき・スノーシュー
長靴は、防寒性のある物を選びましょう。さらに厚い靴下にカイロを入れる等、地面からの寒さ対策も 施す必要があります。かんじきは斜面を登り降りする際威力を発揮します。スノーシューはかんじきより大型になりますが、 その分浮力がありますので新雪には有効です。ただし斜面を降りるのは苦手です。
レインコート
降雪時以外に、道路際での撮影の場合、トラックの水しぶきに対応するため重宝します。
手袋
防水手袋が必要です。
積雪地域を歩く際には溝・用水路に注意
くれぐれも一歩一歩確かめ、はまらないようご注意ください。クルマの場合も路肩の側溝には充分ご注意ください。
携帯電話・スマホ・タブレット端末・モバイルバッテリー
GPS機能を用いての位置確認はもちろんのこと、列車の運行情報確認に使います。地図アプリを使用すると電池の消耗が激しくなるので併せてモバイルバッテリーを携行することをお勧めします。
その他あったら便利なもの
スコップ…除雪している道は除雪によってできた雪の壁ができているので、未除雪の道(山道・けもの道・林道等)に入る際、雪の壁を壊すのに役にたちます。軽くて丈夫なアルミ製がお薦めです。
カイロ…手足の寒さ対策に常備しておきましょう。










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