山陰本線 兵庫県下 北近畿タンゴ鉄道撮影地ガイド

  山陰本線の兵庫県下の区間は餘部橋梁をはじめ、昔から著名な撮影地が数多く存在し、多くの鉄道旅行者や撮影者を魅了してきましたが、餘部橋梁の架け替えやキハ181系の引退から10年以上が経過して、列車での訪問が下降気味になった一方、高規格道路の整備が進展し、現在は中国自動車道の吉川ジャンクションから豊岡市内(但馬空港IC)まで一般道を通らずアクセスでき、沿道の道の駅やサービスエリアは大変賑わっています。JRについては浜坂駅の米田茶店が閉店し、香住駅が無人化され、沿線自治体の急激な人口減少に起因する利用客の減少もありJR西日本は2022年4月には「ローカル線に関する課題認識と情報開示について」というプレスリリースを発表し、地域と課題共有と議論を行いたいという意向を表しており、ここに至り山陰本線が鉄路維持の問題に直面することとなっております。幸い、この地区はカニ・但馬牛・そばといったグルメや、温泉・マリンスポーツ、そしてその興味深い地形といった人を引き寄せる要素には事欠かない地区であり、何を持っても現役のキハ40が令和になっても健在の路線でもあります。そのため当ページで少しでも山陰本線の魅力を伝えることができればと考えています。

竹野-佐津(竹野城山俯瞰)

  豊岡市の竹野地区は江戸時代に北前船の寄港地として栄え(駅に北前船の模型が展示されています。)昔から水質の良好な海水浴場で知られております。北に延びる猫崎半島は兵庫県の最北端になりますが、竹野駅西南にそびえる城山(地理院地図の312mの三角点の地点)からはその猫崎半島と竹野の町並みを臨むことができます。
  竹野駅より線路に沿って北に進み、左手に踏切(竹野西踏切)が見えてきたら渡り、西進します。突き当りを左(南)に曲がり、すぐ目に入るカーブミラーの地点で右折し、細い水路に沿って伸びる道を進みます。舗装が終わった地点からさらに水路に沿って進むと城山への登山口があります。登山口を少し進むと獣害防止用のゲートがあるので丁寧に開け閉めして道なりに進みます。道は整備され傾斜の緩やかな登山道です。5分ほど進むと左に折り返して尾根に取りつきます。尾根上も緩やかで若干倒木や端が崩れた箇所はありますが、おおよそ歩きやすい道です。 尾根道を道なりに50分~1時間ほど進むと「山頂まであと少しです」の看板が現れ、ここから急な坂道をロープ伝いに登ると北側がひらけた山頂に到達します。この地点からは竹野駅は見えませんが日本海をバックに竹野川河口・猫崎・竹野の市街地を臨むことができます。また少し右側に進むと切浜海岸の「淀の洞門」も臨めます。駅からは休み休みでも1時間10分から1時間半で到達できます。夏の熱中症注意報が発令される天気で運動不足の私が水分補給で都度立ち止まりながらでも1時間20分くらいで到達できました。春秋の快適な季節でしたら健脚の方ならば駅から50分~1時間で到達できると思います。クルマの場合、登山口近辺に駐車スペースはありませんので駅前の豊岡市役所竹野総合支所の駐車場をお借りするのが良いでしょう。食料の調達は作例右下に移っている白い建物のスーパー(ミニフレッシュ)が利用できます。
  午後順光、作例は2023年の夏15時ごろ撮影、レンズは70-200mmズームの100㎜。

竹野-佐津(浜須井海岸)

竹野駅前の道を北に進み、左折して県道11号線を佐津方面に進みます。 この県道はかつて「第二但馬海岸有料道路」だった道路です。
切浜海岸を抜け、浜須井海岸を過ぎると登り坂になりますが、 しばらく進むと右手に浜須井海岸が見渡せる高台に到達します。 この付近が撮影場所です。竹野駅から4キロほど。この撮影地は2023年現在も撮影可能です。

列車に日があたるのは日の長い季節の午後遅い時間ですが、 夕方になると作例のように山影が海岸に落ちてきます。 5月~8月中旬の午後4時少し前がベストではないでしょうか? 作例は8月上旬の17時頃現地通過の「はまかぜ6号」です。
レンズは50mm。

こちらは現地15時20分ごろ通過のはまかぜ3号、曇りの日の作例です。


竹野-佐津(浜安木海岸)

前述の浜須井海岸と似たアングルの撮影地です。
佐津駅前の道を竹野側に向け700mほど進むと県道11号線に出るので左折します。 佐津駅から1.5キロほどの地点に海側に駐車スペースがあり、そこから数10m先から 浜安木の海岸が臨める場所に出ます。 交通の便は浜須井に勝るがアングルの自由度が低いのが難点。 この地点も日の長い時期の午後遅い時間の訪問が良いと思います。

作例は2010年8月、15時30分頃現地通過の「はまかぜ3号」。
レンズは70-200mmズームの100mm。2023年現在はこのアングルは撮影できなくなっていると考えられます。

竹野-佐津(浜安木 暮坂トンネル上俯瞰)

前述の浜安木地区を東側の暮坂トンネル上の県道11号線から俯瞰するアングル。有名撮影地です。こちらは2023年現在も健在です。 近くに駐車帯もあります。午前順光。

佐津-柴山(佐古峠俯瞰)

佐津駅西の山の尾根線から山陰本線を臨む俯瞰です。場所的には柴山駅より佐津駅に近い場所ですが、柴山駅側からアクセスします。

柴山駅の東側には海側へ向かうアンダーパスがありその手前にヘアピンカーブがありますがカーブ付近から東へ伸びる未舗装の林道のような道を道なりに登って行きます。 道は山陰線のトンネル上付近まではクルマが進入できますが、その先はクルマの進入の難易度が高い道が続きますので徒歩で進みます。
柴山駅から道なりに25~30分ほど登ると、右手にトイレ跡らしい廃屋が見え、そこから振り返っ左奥に平坦な土地が広がった場所があり、壊れたブランコが見えますのでその先に進み左奥に尾根線を下るけもの道のようの踏み跡があるので5分弱ほど進むと左手に山陰本線と県道が見える場所があります。 柴山駅から徒歩30分~35分。撮影箇所は尾根線手前(上)と奥(下)2か所ありましたが、奥は2024年現在見通しがきかなくなっております。作例はその奥側のものです。
2010年11月上旬撮影、レンズは70-200mmズームの110mm。作例がもやっているのは当日黄砂が飛来したためです。
手前側の撮影については標準ズームをもっていくのが良いと思います。列車の先頭は午後順光です。




佐古峠のブランコ、昔はここが家族連れで楽しめる遊歩道として整備されたことを物語っております…。


香住-鎧(三田トンネル上俯瞰)

三田トンネル俯瞰

香住から餘部までの交通は2010年12月に余部道路が開通し大きく変化し、以前の国道178号線の区間は県道4号線に格下げとなり交通量も大きく減少しました。 この県道4号の下浜地区と鎧地区の境にある三田トンネルの上の尾根線から築堤上を走る列車を臨む俯瞰場所があります。三田トンネル上には尾根を越えて電線が架設されており、直登できそうな感じもしますが、今回は県道の南に位置する庵月山からの尾根線伝いのルートをご案内します。

香住駅の西1.5キロほどの県道4号線沿いに位置する香住高校近くの交差点からJRのガードをくぐり、船越峠に向かう林道を進みます。 林道は舗装1車線ですがクルマの通行量は軽トラ以外はあまりなく、カーブ等で道幅が広くなっている箇所も多く行き違いが容易なのでストレスなく運転できます。 ただし落石はちらほらあります。

香住高校から約3kmほど進んだ地点の山側を注意深く見るとNTTドコモ関西の無線中継所の登り口があるので鉄パイプでできた階段と手すりをたどって登ります。 登山道は階段やステップ、道標の赤銀ポール等が設置されており凡そ歩きやすいと思います。

途中登山道が大きく右曲がりになる場所(ここが船越峠でカーブの外側に石塔が設置されています)に階段があるのでそこを上がり 倒木の多い尾根線を登ります。登山口から約25分ほどで中継所のある庵月山頂に到着しますが、中継所の裏に回り奥の尾根線を下りていきます。ここからは道が不明瞭となるので獣(鹿か猪)の踏み跡や地形を見ながら庵月山の北側に位置する三田トンネル上の尾根線を目指して歩きます。

尾根線が登り坂となりピークで尾根が二手に分かれる地点では左側(北西側)に進み、標高300mを超えるピークから西に尾根線を下り、更に標高290m超のピークで北に尾根線を下ります。庵月山頂からこの付近までは約20分で、この付近の北東側にも山陰線の築堤を望む場所があります。 ここからはさらに道が悪くなり、高低差のある場所も存在するので慎重に進みます。標高290mのピークから15分ほど歩き、猪の水浴び場のような水溜りを過ぎ上り坂にさしかかる付近の右側(東側)を慎重に見渡すと木々の間から山陰線の築堤、左奥に三田浜、右奥遠方に白石島・黒島、大引の鼻を臨む場所があります。撮影地点の標高は凡そ220~230mです。 因みに、このまま上り坂を登りピークを更に下ると三田トンネル上の電線柱に到達します。

作例は70-200mmズームの100mm。午後の日の高い時間がおすすめです。日が低くなると写真左手前の木に影が射します。

庵月山の登り口から撮影地まで凡そ1時間、庵月山を過ぎると3つのピークを越えるため、初めて登られる方は必ず国土地理院の地形図を用意し、行き帰り共に進む尾根線を間違わないようご注意いただければと思います。スマホの電波状況は尾根線上ということもあり悪くありません。 また前述のとおり一帯に鹿・猪等の獣が多くおり、クマもいる可能性が高いと考えられますので、道中は周囲の状況に注意して進んでいただければと思います。
三田トンネル俯瞰

右の作例は標高290mのピーク付近から撮影、レンズは70-200mmズームの115mm。


香住-鎧(鎧の袖俯瞰)

鎧の袖俯瞰

山陰本線鎧駅は小さな入り江を擁する漁村の高台に位置する駅で、宮本輝の小説「海岸列車」をはじめとした文学・テレビドラマにしばし登場する観光客・鉄道ファンの来訪も多い駅です。 鎧駅の香住側の海岸には鎧の袖と言われる国の天然記念物に指定されている海食崖があります。 鎧の袖は火成岩からなる岩らしいですが通常典型的に見られる「柱状節理」と呼ばれる縦に走る割れ目に加え、横にも割れ目が走っている点が地質上珍しいものらしいとのことです。 その鎧の袖を臨む俯瞰場所があります。

香住地区から県道4号線(旧国道178号線)を浜坂方面に3~4キロ進むと香住斎場があります。そこから林道が出ているので右折して進みます。0.5キロほど進むとY字分岐があり左に進みます。そこから0.5キロのところで林道が大きく左に曲がり、 掘割を横切る場所で右の尾根線に入ります。尾根線は比較的明瞭で迷うことはないと思います。尾根線を5分強歩くと下段の撮影地、そこから10分歩くと作例の撮影地に到着します。

所要時間は香住斎場から30~35分。林道は悪路ですが軽トラ等の通行はあるようです。
陽の高い季節の午前中に車両の先頭に陽が射します。レンズは標準ズームがお勧めです。作例は70-200mmズームの70mm。列車は10時40分ごろ通過の上り528D。

ところで林道を終点まで進み、そこから海岸にに延びるけもの道を進むと山陰線の線路際の法面上に出ることができ、ここからも撮影することができます。 なお、この一帯はクマの生息地である可能性が高いため、その点くれぐれもご注意ください。

鎧-餘部(サイド俯瞰)

余部サイド俯瞰

濃於美山、久斗山三角点に登る尾根筋にある俯瞰です。
国道178号線を余部の集落から南下すると大きな左カーブの先に製材所があり、その裏から南に延びる林道があります。 余部道路の築堤の下をくぐり林道を進むと国道から600~700mくらいの所で舗装が終わり、その先右手に農作業小屋が見えますが、 その付近の左手に久斗山三角点への登山口があります。
山に入るといきなり急斜面があり、張られているロープを手繰って尾根筋に登ります。 ここから暫く粘土質だが踏み跡が明瞭な尾根筋を登っていくと、登山口から15分前後でビューポイントを示す小さな案内看板があり、 ここの右手奥にお立ち台があります。

国道から登山口まで徒歩10分弱、橋梁下から撮影地までは徒歩凡そ40分。 登山口手前にクルマの転回場所らしい空き地がありますが、隣に田んぼがあり農作業者が利用する可能性があるので、 国道から歩いた方がベターと思います。
余部の俯瞰撮影地は木々の生長や山林の荒廃で以前より到達・撮影難易度が高くなっている場所が多いのですが、 ここは比較的到達しやすい撮影場所です。但し、尾根筋はすべりやすい道なのでご注意ください。

作例は2012年5月中旬訪問、レンズは70-200mmズームの200mm。
列車は13時ごろ通過のはまかぜ1号。

※なお、この撮影地は2019年現在見通しが利かなくなっているようです。

鎧-餘部(漆尾根俯瞰)

漆尾根俯瞰

余部小学校の南西にある尾根筋の上からの俯瞰です。ぽつんと山際に立つ一軒家が尾根筋の目印です。
まず左の沢の奥に進み右の尾根線に登っていきますが、一部分を除いてトレースできる踏み跡が見当たりません。 適当に歩きやすい場所を進み尾根線によじ登り、後はひたすら尾根線をお立ち台が見えるまで登っていく形となります。 登り口から徒歩20~30分。尾根線に登るまでの道筋が不明瞭なため現状ではお勧めできない撮影地です。
因みに登り口は沢を進むので長靴の着用が必須です。 作例は2012年5月中旬訪問、列車は11時過ぎの167D。レンズは85mm。※2019年現在は撮影できなくなっていると思われます。


当日は他に餘部駅北西に所在する八柱神社東奥の尾根筋に登る海側俯瞰も訪問したのですが、 ここは倒木・倒竹が甚だしく、訪問難易度が上がっており、さらにお立ち台も周囲の木々の生長が激しく残念な変化を遂げていました。

鎧-餘部(余部スーパー俯瞰)

余部スーパー俯瞰

餘部駅南1キロほどの地点にある市午(いちご)集落の西の山の尾根線からの俯瞰です。

国道178号線から市午橋を渡り集落を山側に進み、白仙寺、その奥にある白山神社を目指します。 白山神社の入口に獣害防止柵の入口があるので、丁寧に開け閉めして白山神社の参道を登ります。 参道を登りきると社殿の右、もしくは奥から裏山に尾根線が伸びているので登っていきます。 15分~20分ほど登ると視界が開けその場所でも撮影できますがさらに登ります

白山神社参道下から35分~40分ほど登った地点で右側に視界が開けます。 作例はそこから右奥にやや進んだ地点からの撮影です。
道が明瞭でない尾根線を長時間歩くことと帰りに迷いやすいため、こちらもあまりお勧めできない撮影地です。

尾根線は極端に険しくないため、登りはそんなに難しくないと思いますが、 帰りは尾根線から白山神社に降りる地点で道に迷いやすいと思います。 また、地元の方からは「熊鈴を必ず携帯するように」とアドバイスされたため、クマにも注意の撮影地です。

作例は2010年11月初旬撮影、現地13時ごろ通過の「はまかぜ1号」。
レンズは70-200mmズームの200mm。

鎧-餘部(たかのすの森遊歩道俯瞰)

2010年初夏ごろに餘部-鎧間の遊歩道が完成し、遊歩道上や新設された展望台から写真が撮れるようになりました。 ここでは、遊歩道上からの俯瞰場所を紹介します。

右は遊歩道の案内図
《行き方・餘部駅からの場合》

駅から下り坂を降りて国道に出て余部橋梁の南側に少し進むと、国道左手の川の対岸に小さな集落が見えるので橋を渡って集落に入ります。 集落前に「たかのすの森遊歩道」の案内がありますので、 それに従って砂利を敷き詰めた遊歩道を登っていきます。 登り口から15分前後で五反野展望所に着きますが、さらに10分強歩くと、 左にサワリ鼻展望所の分岐があります。そこから少し鎧駅方面に歩いたところの左手から 松ヶ鼻の百層崖・鎧の海と線路が少しばかり見えるところがあります。橋梁下から30分強。
遊歩道は砂利を敷き詰めているので底の厚い靴を履くのがお勧めです。
因みに案内板に記された所要時間はある程度余裕をもった時間と思います。

作例は85mmですが、木々をクリアする関係上100mm以上のレンズが望ましいと思います。 また他にも3か所の展望所・展望台があり、そこから餘部橋梁を眺めることができます。
《行き方・鎧駅からの場合》

鎧駅から右手の方に線路沿いに100mほど進むと「たかのすの森」の案内があるので、 コンクリートで固められた遊歩道(途中から砂利になります)を登って行きます。 鎧駅からおよそ20分~25分くらいで到着します。 遊歩道の餘部駅ホームから鎧駅までを通しで歩く所要時間は1時間10~20分程度と思います。


五反野展望所からの眺め


たかのす展望台からの眺め(木製の展望台があります)


サワリ鼻展望所からの眺め。遊歩道の分岐から10分程度、橋梁下からは40分程度。

鎧-餘部(マムシ谷俯瞰)

前述の遊歩道へ進む際、橋を渡り右折の後、左折する箇所がありますが、左折せずに道なりに進むと行き止まりになり、左手の山の斜面に お墓があるのが見えます。お墓に向け歩いて行くとお墓の左側から回り込む形で 山奥に進む道があるので少し登るとさらに山奥にロープがたらされた急斜面が続きます。 ロープを目印にこの斜面を登り尾根線を辿ると10分ほどで左手に視界が開けた場所に到達でき、 そこから撮影できます。 所要時間は五反野展望所よりやや短いですが、急坂で帰りに迷いやすく、 さらに撮影場所も木々の生長が進んでいるため、安全面・達成感双方でお勧めできない撮影地です。 五反野展望所のほうがよいと思います。

鎧-餘部(展望台)

あまた存在する鉄道撮影地の中で最も有名なスポットの一つであると思われる餘部展望台です。
現在の餘部駅は線路の海側にホームがありますが、新橋梁供用前は山側にホームがあり、容易に裏山の展望台に登ることができました。 餘部新橋の工事の関係で通路が閉鎖されたため、一時立ち入りが事実上できませんでしたが、2010年11月、通路の再整備が行われ立ち入りできるようになりました。
現在は駅から一旦下に少し降り、右折し、線路をくぐって展望台に登るルートに変更されています。
写真は1992年夏ごろの撮影です。

鎧-餘部(橋梁南)

橋梁南500m付近から。コンクリート製の建物は余部小学校です。

桃観峠俯瞰

桃観峠は兵庫県の香美町と新温泉町の境に位置する峠で、JR線は桃観トンネルで峠を越えますが、この区間(香住-浜坂間)は山陰本線の京都-出雲市間で最後に開通した区間で旧餘部橋梁とともに難工事だった箇所だそうです。久谷駅付近には山陰海岸ジオパークの「明治の鉄道遺産「桃観トンネル」」といった案内板も立っています。
   一方浜坂道路には新桃観トンネル、旧国道178号線区間(現在は町道)には桃観トンネルがありますが、その桃観トンネルが開通する前に利用されていた古道から久谷駅を見渡せる場所があります。

旧国道178号線桃観トンネル西側(久谷側)出口から北北東へ緩い上り坂が伸びていますがこれが古道となりますので道なりに進みます。100mほど進むと右にカーブし掘割を抜け南南東方面に進みます。古道はトレースは難しくないものの土砂が堆積し倒木も多く自然に帰りつつある状態でクルマはもちろん、バイクや自転車も通行できません。掘割から800~900m進んだ地点でヘアピンを折り返し、少し進むと沢を渡る橋が崩落(消滅)した箇所があり、注意して沢を渡ります。ヘアピンから300~400mほど進んだ地点が撮影地となります。 標高はおおよそ240mの地点となります。作例をご覧の通り手前に杉の木が伸びてきているため現地で構図を吟味する必要があります。町道桃観トンネル西出口より撮影地点までおおよそ40分から1時間ほどの道のりです。付近は鹿の出没が多い地区となり、古道は前述の通りの状況のためあまり歩いて爽快感のある道ではありません。作例のレンズは70-200mmズームの175mm。
  町道の桃観トンネルを挟む区間は2021年8月下旬より通行止めとなっております。通行止めの区間は消雪工が施工されていた区間と記憶しており、香住と浜坂を結ぶ重要な役割を担っていたこの道も浜坂道路の完成によりお役御免となるようで残念です。※通行止め区間は地滑りが発生しているとのことで2023年より兵庫県の代行事業で復旧工事が始まりました。令和6年度末(=2025年3月)を目途とのことで復旧を待ち望みたいと思います。


諸寄駅(城山園地俯瞰)

入り江の奥に位置する諸寄の漁村・海岸・諸寄駅を高台の城山園地から臨む俯瞰です。

諸寄駅から海岸沿いに進み国道178号線に出て、浜坂方面に500m強進むと浜坂ユースホテルの看板があるので左折し、 城山園地に向け山道を登っていきます。しばらく道なりに歩くと駐車場に着きます。 この駐車場まではクルマでも来ることができます。

駐車場から海側に遊歩道が伸びているのでさらに進みます。遊歩道は幅があり歩きやすいです。 遊歩道を400mほど歩くとテーブルが2つ、その周りに据え付けの椅子がある展望台に着きます。 手前のテーブル近くの桜の木の下付近が撮影地です。

陽の高い季節の午後遅くに列車の側面に日があたりますが、夕陽の時間がお勧めです。

作例は8月上旬の18時過ぎ撮影、レンズは70-200mmズームの123mm。

諸寄-居組(林道俯瞰)

諸寄駅から海沿いの国道178号線に出て鳥取方面に進み、雪浜橋手前で左折し県道262号を山側に進みます。 JRのガードをくぐり右カーブし、しばらく進むと左カーブがありますが右手に連続する小さな橋があるので 右折しこれを渡ります。 橋を渡ると砂利道になり左手にカーブして道が続きます。これが居組諸寄林道です。 この林道を徒歩で20~25分ほど登っていくと右カーブのところで前方の視界が開ける場所に出ますが、 その左手の木々の隙間から山陰本線が臨めます。 作例は200mm。 林道は未舗装です。クルマは通行可能で、撮影地付近に駐車スペースもありますが、個人的には徒歩をお勧めします。

北近畿タンゴ鉄道 丹後神崎-丹後由良(由良ヶ岳東峰俯瞰)

「丹後富士」と呼ばれる由良ヶ岳には西峰と東峰が存在します。 東峰からは由良川橋梁を含む丹後神崎駅から丹後由良駅までの広い範囲の俯瞰ができます。 詳しくは写真をクリック願います。







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