東日本俯瞰風景 撮影地ガイドその2

ここでは羽越本線・米坂線・磐越西線の俯瞰風景をご案内します。

米坂線 手ノ子俯瞰(宇津峠俯瞰)

宇津峠 山形県飯豊町と小国町の間に位置する宇津峠は古くから米沢と新潟を結ぶ越後米沢街道・十三峠の難所として知られ、米坂線は宇津トンネルで峠を越えます。
その宇津トンネル東側(飯豊町側)の築堤を行く列車を国道113号線新落合橋北の尾根筋より俯瞰することができます。過去時刻表の表紙にもなった撮影地です。

手ノ子駅南の国道113号を小国方面に進み、3キロほど先の新落合橋手前で国道旧道が右に下る形で分かれるので右折します。
旧道に入ってすぐ林道が分岐しますので右折し、少し進むと右手に米坂線の線路の築堤に登る踏み跡があるのでそこを登り、線路を注意して渡ります。
線路を横断した先は熊笹が繁茂していますがやや左から林の中に入ります。林の右手は斜面になっていますが左奥から回り込むように取りつきます。林の正面奥に枝尾根があるのでそれに取りついても良いと思います。右(南東)へ登っていくとメインの尾根線に取りつけますので奥に登って行きます。
線路横断地点から15~20分登ったところで左手に視界が開けてきます。撮影場所は25mほど隔てて2か所あります。2021年現在築堤の手前の杉が伸びてきており、奥の撮影場所がお勧めです。
作例は手前の撮影場所で70-200mmズームの75mm、2010年撮影。
クルマは旧道脇に路駐するか、新落合橋下に停めることができます。
旧道は先のトンネル(旧宇津トンネル)が通行不可のためほとんどクルマの通行はありません。ちなみに国道113号線の現トンネル(新宇津トンネル)は平成4年竣工、平成6年3月に開通しています。

 

こちらは秋の手ノ子俯瞰。列車は現地8時半前通過の1128D。レンズは70-200mmズームの70mm。

 

同じく秋の手ノ子俯瞰。列車は現地14時半過ぎ通過の1130D。レンズは24-105mmズームの67mm。

 

冬の手ノ子俯瞰。列車は現地13時20分ごろ通過の1131D(後追いです)。レンズは70-200mmズームの200mm。

 

同じく冬の手ノ子俯瞰。列車は現地14時30分ごろ通過の1130D。レンズは70-200mmズームの70mm。車両はGV-E400形です。

 

《到達への手引き》
この撮影地に辿りつくカギは線路を横断後、尾根線への登り口を見つけるところです。
登り口が発見困難と思われる場合、新落合橋袂付近から築堤を進む列車を撮られることをお勧めします。築堤は昼~午後が順光。 こちらに撮影地の全景、旧道と林道の分岐、築堤の登り口等の写真をUPしているので、クリックしてご覧ください。

米坂線 明沢(みょうざわ)俯瞰

明沢俯瞰 米坂線羽前沼沢駅から国道113号線を小国方面に300mほど進むと右手にドライブインがあり、その先にある国道明沢トンネルとの中間地点に左(線路側)の林に入っていく林道があるので左折します。
少し進むと左に下る山道の分岐があるのでそこを左折し、さらに少し進むと線路に交差しますので、注意して横断します。
山道を進むと途中開けたところに分岐があり、右に向かいます。
すると周囲は沼地が多くなり、徐々に勾配がきつくなります。国道から5分~10分登ると、進行方向右手から尾根線が合流してきます。この付近に不明瞭ですが右側への分岐があるので右手前に折り返す形で尾根線を目指し登っていきます。
しばらく歩くと尾根線にたどりつくので左側の視界の開けたところを探します。そこが撮影地です。作例は50mm。午前中が順光。

 

国道からの実際の所要時間15分程度ですが、撮影地点の尾根付近は明瞭な道はないので、地形を見ながら登ることが必要と思われ、初めて訪れる方は到達まで時間がかかると思います。
クルマの駐車は国道明沢トンネルの手前の駐車スペースか、前述のドライブインを利用します。
こちらの作例のレンズは70-200mmズームの70mm。

 

冬の明沢俯瞰
冬の明沢俯瞰
上記の道筋は雪が積もって全く分からなくなります。無雪時に訪れて大まかな地形を理解していないと冬の訪問は困難と思います。また、かんじき・スノーシュー等の装備が必要。熟練者向き。

 


《到達への手引き》
ドライブインと明沢トンネル間で国道は2回橋を渡りますが、登り口の林道はその橋の間です。撮影場所は米坂線のトンネルがある山の上の尾根線の北側です。線路を渡った先の分岐を間違わないことが重要ですので登る途中に沼地が見えなければ戻った方がよいでしょう。

羽越本線 笹川流れ 蓬莱山俯瞰

笹川流れ 蓬莱山 笹川流れは新潟県最北部に位置する、山の斜面が海に落ち込んだ大小さまざまな奇岩と白い砂浜が連なる海岸で、日本海に落ちる夕陽も美しく、付近の海岸沿いをゆく国道345号線はドライブスポットとしても人気の高い場所です。
蓬莱山は羽越本線の今川駅と越後寒川駅の中間に位置する笹川流れの見所の一つで、村上寄りにある羽越本線の切り通しに接した崖上に登ると、蓬莱山・日本海をバックに行く羽越本線の列車を撮影できます。

蓬莱岩の500mほど南に羽越本線の岩を削った切り通しがあり、線路の海側の国道345号線との間に駐車帯があります。その北側から線路を渡り山へ通じる細いけもの道が続いているので、線路を注意深く渡り、山へ進みます。道は細いですが明瞭ですので、迷うことはないと思います。
少し進むと山の斜面を切り返しながら登っていく急な山道となります。駐車帯から5分ほど登るとやせ尾根に辿りつきます。右手へ進み、少し尾根を下った先の登りつめた地点の右手から、蓬莱山をバックに上り列車が撮影できます。なお、登りつめた地点の左手には下り列車の撮影地があります。駐車帯から撮影地点まで5分~10分。靴は急な山道になるので踏ん張りがきくものが必要ですが、到達難易度はそんなに高くないと思います。なお、撮影場所は崖の上になりますので、自分自身の安全確保と、機材・所持品を落とさないよう注意が必要です。
昼前後が順光。午前早い時間は列車先頭に日があたらず、午後には列車側面に日があたらなくなります。作例はいなほ8号(12時前の通過)。5月上旬撮影
写真で蓬莱山の右、山に囲まれてちらりと見える集落が脇川集落となります。脇川集落付近にも撮影地がありますので こちら を併せてご覧ください。

 

485系T18編成 こちらは13時過ぎの臨時のいなほ号(新潟車両センターの所属の485系T18編成。先頭車両はクハ481-1508)で、側面には日があたっていません。

羽越本線 越後早川-桑川 馬下地区棚田俯瞰

馬下の棚田 越後早川駅の北、馬下(まおろし)地区の南には山裾に棚田、その上の高台に畑が広がっています。高台の畑から棚田を俯瞰する撮影地です。

越後早川駅の北、3キロ弱のところ、上り線の第一馬下トンネルの出口付近に羽越本線の下り線と上り線が分岐する地点がありますが、その付近から線路を渡って山側の棚田・畑に続く農作業用の小道があります。 線路を注意して渡り小道を進むとつきあたりに棚田の山裾に沿って続くあぜ道と小さな用水路があるので右折し越後早川方面に進みます。 右折して200~300m進んだところに山側からこの用水路に注ぎこむ小さな水路があり、それに沿って高台の畑に登る小道があるので登っていきます。しばらく登ると右手に木々の間から棚田がちらりと見える場所があります。左手にある畑の跡地に登るとなんとか木々をかわすことができる場所があります。作例はさらに脚立を使用しています。
この撮影地点は前述の羽越本線の下り線と上り線がわかれる地点より400~500m南にある国道と線路の間のわずかな駐車帯の付近からも用水路に沿ったあぜ道を桑川方面に歩いても到達できます。なお、この付近は駐車スペースがなく、国道脇の少し路肩が広くなったところを探して停める形となります。
こちらの作例は上記の撮影地点より低い場所からの写真です。クリックしてご覧ください。
間島・柏尾・馬下地区にかけては田んぼ・棚田を絡めて撮影できる場所がいくつかあるので、今後もいろいろ挑戦したいと考えています。ちなみに馬下という地名は、昔、源義経が奥州落ちをする際この地で馬から船に乗り換えた言い伝えが由来となったとの話を聞いたことがあります。

磐越西線 麒麟山俯瞰

新潟市と喜多方市のほぼ中間に位置する津川は新潟県阿賀町の中心地であり毎年5月3日の「狐の嫁入り行列」で有名な町です。
津川の街の東北に位置する麒麟山は中世には津川城が築かれていました。その麒麟山の中腹から津川駅を出発する列車を臨むことができます。
津川の町の東北に位置する城山橋を渡ると道路の両側は駐車スペースになっており、左の駐車スペース奥から遊歩道が伸びています。遊歩道は津川城址をめぐるコースにもなっています。しばらく歩くと現れる石段を登っていくと駐車スペースから10分ほどで展望台に到着します。展望台からも津川の町が見えますがやや木々に視界を遮られる印象です。
その展望台の背後に小さなお稲荷さんがあり、そこから麒麟山への登山道が続くので鳥居をくぐり登っていきます。岩を登る個所がある非常に険しい道です。5分ほど登った山頂の手前で視界が開けるところがあります。
駐車スペースから15分強。急な崖の上からの撮影なので安全にはくれぐれも配慮が必要です。また降りる際も注意が必要ですので。体力・装備・天候等鑑み自身のない場合展望台からの撮影をお勧めします。

磐越西線 鹿瀬俯瞰

津川の町から鹿瀬へ向け国道459号を4キロほど進むと鹿瀬大橋がありますが手前で右折し県道322号線を進みます。 県道の山道を3キロ弱ほど進んだ左曲がりのヘアピン奥の右手から、鹿瀬駅・鹿瀬小学校・新潟昭和の工場を含んだ鹿瀬の町が見下ろせます。 逆光ですがSLでは煙が美しく映えます。 クルマを横付けして撮影できるため人気の場所です。撮影地の定員はやや少なめです。 作例のレンズは300mm、2010年11月撮影。


こちらは200mm(70-200mmズーム)での撮影。2011年5月撮影。


撮影地のヘアピンの100mほど先で右手に分岐する未舗装の林道があります。 この林道を2kmほど進んだ地点からは順光側で撮影可能です。 林道はクルマの通行は可能でほとんどの方はクルマで撮影地に来られますが、 ところどころ崖から石が崩れ落ちた箇所があるので運転には注意が必要です。 徒歩の場合、林道の分岐から25分程度です。 レンズは70-200mmズームの142mm。

磐越西線 日出谷俯瞰

日出谷駅から平瀬(びょうせ)橋を通って阿賀野川を渡るとその先で林道(峰越林道)が左手前に分岐するので登っていきます。林道は舗装されておりクルマも通行可能です。
当麻観光栗園を通り過ぎそこから0.5キロほど進んだ右カーブにて細い未舗装の林道(林道向山線)が左手に降りるように分岐するのでそこを進みます。この分岐は国土地理院の地図の表記と異なり、分岐はやや手前(西側)で、道なりに進むと峰越林道を直進しますので注意が必要です。峰越林道はこの後阿賀野川沿いから離れ、南の国道49号鳥居大橋の西にある八ツ田集落に続きます。
林道向山線は一部悪路ですので普通車の通行は個人的にはお勧めしません。分岐付近は道が膨らんでいるので、若干ならクルマは停められます。 1キロほど未舗装の林道向山線を進むと終点につきますが、その手前で右手斜面に折り返して登る踏み跡があるので登っていきます。 1~2分ほどで日出谷の町並みが臨める場所に辿りつけます。作例は300mmですが中望遠がよいと思います。

山形新幹線 北山林道俯瞰

  著名な板谷峠を下ってきた山形新幹線・奥羽本線の列車を臨む撮影地です。福島市内より訪問する場合、 まず庭坂のカーブの溜池方面に向かいます。溜池少し手前で北東~南西に伸びる福島西部広域農道と交差しますので、山形新幹線のガードをくぐり、南西の黄金坂地区にある「十割蕎麦 喜福茶屋」を目指し進み、蕎麦屋のある交差点を、西南の方向に伸びる山道(福島市道黄金坂線)に入ります。 山道を登っていくと途中北山林道の起点がありますがそのまま直進します。蕎麦屋から3キロ弱進んだところにあるヘアピンを越えた先の直線路から道が細くなり、さらに1キロ弱進むと道がダートになります。ダートは普通車でも進める道です。ダートを1.5キロ強進むと二股がありますが、左が市道で、右が北山林道の終点になりますので、右の上り坂を進み北山林道に入ります。ここから先は荒れた部分もあるダートになります。
  二股からゆるい上り坂を400mほど進むと鞍部を越え道がほぼ平坦となり、その先では左へ曲がる道があります。この道は林道高津森線で、この先に旧板谷街道の李平宿跡がありますが、ここではそのまま林道北山線を進みます。先述の二股より1.5kmほど進むと3本のアンテナが建つ携帯基地局が見えてきます。携帯基地局の裏手に回ると車両通行禁止の林道があり、少し降りたヘアピン付近から山形新幹線の線路を臨むことができます。携帯基地局の手前でも線路が見える箇所が数個所あります。所要時間は蕎麦屋の交差点から携帯基地局までクルマで20分くらい。ただしダート部分は慎重な運転をお勧めします。
作例は盛夏の10時ごろ撮影、レンズは70-200mmズームの145mm。作例の通り夏のトップライトより陽の低い季節の方が望ましい撮影地と思います。 なおこの一帯はクマが出ると考えられるので、注意が必要です。











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